海で遊ぶ時に、気をつけなければいけないのがクラゲです。
クラゲはたくさんの種類がいます。そこまでの危険はないものや、超危険なものまで。海で泳いでいる時に、違和感を感じたら、それはクラゲに刺されたせいかもしれません。
そこで今回は、暑い季節は要注意!クラゲに刺された時の症状や、その後にどんな処置が必要かなどについてまとめてみました。
クラゲの発生する時期はいつ?
よく夏の終わり、お盆を過ぎればクラゲの季節なんていいますが、実はクラゲはお盆に関係なく海にいます。
クラゲは6月下旬くらいまでは「ポリプ」という幼体の状態でいる種類がほとんど。ポリプの時期は岩に付着しているので、お盆前に海水浴しても目立たないだけです。
そして7月頃になると岩から離れて成長し、成体になります。お盆を過ぎた時はクラゲもかなり成長して大きくなっているので、クラゲが大量発生したと思われているのです。
ですのでお盆の前だからクラゲの心配はない、ということはありませんし、埋め尽くすように浮かぶクラゲの海に入るのはやはり危険です。
また、クラゲ避けネットのない海水浴場では特に注意が必要です。海水浴を無事にエンジョイするには、ラッシュガードの着用など、クラゲに刺されないための対策をおすすめします。
クラゲに刺された時の症状は?
クラゲは触手の毒を使いエサを取ったり、危険から身を守る習性があります。クラゲに刺された場合の主な症状は以下の通りです。
- 痛み
- 痒み
- ミミズ腫れ
- 呼吸困難
- 筋肉痛
- 関節痛
- 寒気
- 吐き気
- アナフィラキシーショック
これらの症状は、クラゲの持つ毒性によって違いがあります。
刺されても多少の痛みや痒みだけで済むクラゲもいれば、一度刺されただけで危険が伴うクラゲもいる、ということです。特に神経系やアナフィラキシーショックは恐ろしいですね。
アナフィラキシーショックは、蜂に刺された時にも現れる毒に対するアレルギー反応です。アナフィラキシーショックで命を落とすケースも見られますので、毒性の弱いクラゲでも一度刺された経験がある人は要注意です。
種類別の症状や対処法!
日本の海水浴で泳ぐ場合に特に注意しなければならないクラゲは6から10種類。それぞれ刺された場合の症状や対処法違ってきます。ここでは特に多いクラゲと対処法を紹介します。
ミズクラゲ
一番無害とされているクラゲ。傘の縁に短い触手が生えています。直径も10cmから20cm程度で半透明。近くを泳いでいても、気付かない人も。
ミズクラゲも毒を持っていますが、毒性は大変弱く、軽い痒みを覚えるくらいです。しかし触手が顔に触れた場合や肌の弱い人は痒みがひどくなる場合もあります。さらにアナフィラキシーショックの可能性もありますので油断は禁物です。
刺された後も体に悪影響を与える場合はほとんどありません。もし少しヒリヒリする、痒いと感じた場合は海水で刺されたと思われる箇所を洗いましょう。ただし気分が悪くなった場合は無理をせず海水浴場の救護室などへ行ってください。
アンドンクラゲ
傘は3から4cmほどで小さく、20cmほどの4本の触手が特徴です。刺されると激痛が走り、刺された場所はミミズ腫れを起こします。
痛みは強いですが、命の関わるような毒ではありません。海でクラゲに刺されて痛い、という場合は大抵このアンドンクラゲによるもの。
まずピンセットやティッシュなどを使い、触手を取り除きます。触手は触れるだけでも危険のですので、絶対に触れずに取り除いてください。
患部を海水で洗い、消毒液で消毒します。絶対に真水で洗わないでください。酢があれば酢を患部にかけます。ステロイド軟膏、抗ヒスタミン軟膏、コーチゾン軟膏を塗り、患部を冷やします。
アカクラゲ
傘は9cmから15cm程度で、傘の縁に細長い触手がたくさん生えています。触手は乾燥すると細かく千切れて空気中に舞い、吸い込むとくしゃみをしてしまうことから「ハクションクラゲ」とも呼ばれています。
アカクラゲの発生時期は11月から5月ですので、海水浴よりもサーフィンや釣りなどで被害に遭う人が多いようです。アカクラゲに刺された場合は、患部がかなりヒリヒリし、ミミズ腫れや水泡ができます。
場合によっては呼吸困難を起こすことも。毒性はかなり強いと言えますので、注意が必要です。
アンドンクラゲとほぼ同様ですが、酢は絶対に使わないでください。酢が有効なのはアンドンクラゲと後述するハブクラゲの毒のみです。
カツオノエボシ
青いビニールの空気袋のようなクラゲ。触手は10cmから50cmとかなり長く、海に浮かんでいると大変目立ちます。
見た目は美しいのですが、猛毒を持っているので要注意。海に浮かぶカツオノエボシを見つけたら、即座に海から上がりましょう。台風の後は大量に浜辺に打ち上げられていることもありますが、干からびていようが絶対に触らないでください。
刺されると全身に激痛が走り、患部のケロイド状は痕が残ることも。吐き気や頭痛、発熱、ショック症状なども見られることもあります。過去にカツオノエボシに刺されたことのある人はアナフィラキシーショックも。
基本的にアンドンクラゲと同様ですが、応急処置後は病院へ行きましょう。特に刺された箇所が広い、吐き気や頭痛がする、アナフィラキシーショック、意識障害がある場合は救急車を呼んで一刻も早く病院へ。
ハブクラゲ
沖縄地方に分布する猛毒を持ったクラゲ。ハブクラゲは年間を通して活動していますが、特に海水浴シーズンである7月から8月に好物の小魚を追って海岸沿い押し寄せてきます。
体は透明なので気づきにくく、大変厄介なクラゲです。沖縄の海はこのハブクラゲが本当に怖いので、できればクラゲ防止ネットのあるきちんと管理されたビーチで泳ぐことをおすすめします。
ハブクラゲに刺されると、細い糸のような触手が張り付き、ミミズ腫れを引き起こします。ミミズ腫れは6時間後には水泡となり、酷い時には壊死してしまうことも。意識障害や呼吸困難、心停止の危険性もあり、死亡率の高い大変危険なクラゲなのです。
ハブクラゲに刺されたらまずは落ち着いて海から上がり、酢を30分以上かけて刺胞(毒の入ったカプセルみたいなもの)の発射を防ぎます。それからピンセットなどで触手を取り除き、痛い場合は患部を冷やします。そしてすぐに病院へ。
酢がない場合は植物油や日焼け止めなどの油をかけます。刺された箇所を痛いと感じるまで火で炙り、わざと火傷による水ぶくれを起こして毒が体に回るのを防ぐ方法もありますが、危険な方法なのでおすすめできません。
クラゲの毒に有効な薬は?
クラゲの毒に炎症を抑える薬として、抗ヒスタミン剤、コーチゾン軟膏、ステロイド軟膏があります。どれも薬局で購入できる薬ですが、時間を置かないで使うと副作用の心配があります。
必ず用法を守って使用しましょう。特に薬アレルギーや妊娠中、持病がある人は、医師や薬剤師に相談して下さい。